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試験方法から探す

抗かび性

目的

繊維製品にかびが発生すると、シミとして目立ち、時には繊維を脆化させて破れやすくします。そこで防かび剤を練り込んだり、後加工で付与することでかびを発生しにくくした素材が販売されています。そういった素材の抗かび性能を評価するために行う試験です。
一般社団法人繊維評価技術協議会(略称:繊技協)は、繊維製品について抗かび加工のマーク(抗かび加工SEKマーク)の認証を実施しています。ボーケンではそのマーク認証に必要な繊技協の定める「抗かび性定量試験法」の実施が可能です。

試験方法

(一社)繊維評価技術協議会のSEKマーク認証の試験は「JIS L 1921繊維製品の抗かび性試験方法及び抗かび効果」、それ以外の抗かび性試験については「JIS Z 2911かび抵抗性試験方法」に基づいて試験を実施します。

JIS L 1921繊維製品の抗かび性試験方法及び抗かび効果

試験対象かび:クロコウジカビ、アオカビ、クロカビ、白癬菌の4種類中、使用実態を考慮して2種類以上のかびを選択。試料0.2gをバイアル瓶に入れ、試験胞子液0.2mlを接種し、25±2℃で42±2時間培養します。
ATP消去試薬0.1ml、生理食塩水4.7ml、またATP抽出試薬5mlを加えて撹拌後、0.2ml分取し、発光試薬0.1mlを加えて撹拌後、発光光度計で発光量を測定します。発光量からATP量を求め、下記の式に従い抗かび活性値を算出します。

抗かび活性値 ={log(標準布・培養後ATP量)- log(標準布・接種直後ATP量)} -{log(加工試料・培養後ATP量)- log(加工試料・接種直後ATP量)}

評価基準

抗かび活性値≧ 2.0
(ただし、洗濯回数が少なく、かびが生えやすい製品については抗かび活性値≧ 3.0)
※対象製品の分類ごとに、耐久性として、定められた洗濯処理後の試験も必要です。
SEKマークの表示例
sek5.jpg

抗かび加工

(繊維上の特定のかびの発育を抑制します。)

認証番号○○○○○

一般社団法人繊維評価技術協議会

剤名:大分類(中又は小分類)

社名及び/又は商標

※実際にマーク表示をする場合には、薬事法や景品表示法(優良誤認等)への抵触を避け、消費者の誤解を招かないようにするために、マークの近傍に「この製品は、病気の治療や予防の効果はありません。」等の注意表示が必要です。

JIS Z 2911かび抵抗性試験方法

繊維製品やプラスチック製品、一般工業製品、塗料、皮革及び皮革製品、電気・電子製品の試験等が規定されています。ここでは繊維製品の試験を紹介します。
試験対象かび:クロコウジカビ、アオカビ、ケトミウム、ミロテシウム
乾式法と湿式法があります。
乾式法の場合、シャーレ中の試験片(5cm×5cm)上に試験かび混合胞子を付着乾燥させた磁器素焼板を置き、ガラス板を載せ、ふたをします。26±2℃で4週間培養し、菌糸の発育の様子を観察します。
湿式法の場合、平板培地上に試験片5cm×5cmを密着貼付し、試験かび混合胞子混濁液を吹き付けます。26±2℃で2週間培養し、菌糸の発育の様子を観察します。

試験結果の表示方法

菌糸の発育結果の表示
菌糸の発育が認められない0
菌糸の発育は試験片面積の1/3以内1
菌糸の発育は試験片面積の1/3を超える2

試験結果例

湿式法 結果:2