重金属類には有害性を有する物質が多く、そのため様々な形で規制されています。
ここでは、それぞれの重金属の有害性と法規制について広く紹介することで、 重金属類について、理解を深めていただければと考えています。
ヒ素とは
ヒ素(砒素)とは、元素記号Asで表わされる灰色の金属です。 ヒ素という金属については、皆様もニュース等でお聞きになったことがあるかと思いますが、ヒ素の化合物は非常に強い毒性を持っており、それゆえ、最大の用途は農薬や殺虫剤等とされています。また、その他の用途として、銅や鉛の耐食性を高めるために、これらに添加して合金として用いることもあるようです。1)以下、ヒ素の有害性等について考えてみましょう。

ヒ素の病理
では、ヒ素中毒といった物はどのような症状を示すのでしょうか?
またまた、病理学の教科書を紐解いてみましょう。
ヒ素については急性中毒と慢性中毒があり、急性中毒では、中枢神経系毒性が原因となって死に至ると記述されています。また、慢性毒性では、倦怠感や疲労感から始まり、胃腸の障害、皮膚の変化や末梢神経障害による知覚異常、運動麻痺等が表れるとされています。2)
この様に、ヒ素には強い毒性があることが分かります。

ヒ素に係る法規制等
ヒ素に係る法規制は非常に厳しく設定されています。 ヒ素に係る主な規制として、「水質汚濁防止法」において、ヒ素が「0.1mg/L以下」3)、ヨーロッパの玩具の安全性試験(EN71-3)において、「25mg/kg」など、非常に厳しい規制がかけられています。また、食品衛生法においても規制がかけられており、おもちゃの種類ごと等にその規格基準が定められています。4)