重金属類には有害性を有する物質が多く、そのため様々な形で規制されています。
ここでは、それぞれの重金属の有害性と法規制について広く紹介することで、 重金属類について、理解を深めていただければと考えています。
カドミウムとは
カドミウムとは元素記号Cdで表わされる、延性・展性に富み加工しやすい金属です。1) ここで、延性とは、金属の延びる性質を指し、展性とは、打撃等によって薄く広げられる性質を指します。
また、カドミウムは耐食性に優れるなどの性質も有しております。これらの性質から、鉄などのメッキやハンダ、電池などに用いられ、また、カドミウム化合物は顔料としても使用されてきました。しかしながら、近年ではカドミウムの有害性が知られてきており、カドミウムの使用を制限する動きが非常に強くなってきています。
以下、カドミウムの有害性等について考えてみましょう。
カドミウムの病理
カドミウム中毒として、もっとも有名なのが富山県におけるイタイイタイ病です。
環境白書(昭和47年版)によりますと、非常に高濃度のカドミウムによって汚染された水や食品を長期にわたって摂取した結果、イタイイタイ病が誘発されたと考えられています。2)

カドミウムは、腎臓以外に肺にも障害を与え、
その結果、肺水腫や肺気腫といった重篤な病気を引き起こすことも知られています3)。
カドミウムに係る法規制等
カドミウムに係る法規制等は、非常に厳しく設定されています。
カドミウムに係る主な規制として、「水質汚濁防止法」において、カドミウムが「0.01mg/L以下」4)、「RoHS指令(有害物質使用制限令)」においては、「非含有」と定められている5)など、非常に厳しい規制がかけられています。また、食品衛生法においても規制がかけられています。食品衛生法では、食品の種類や器具及び容器包装の種類、おもちゃの種類ごとにその規格基準が定められています。