においの分析ではガスクロマトグラフ質量分析計(以下、GC-MS:Gas Chromatograph Mass Spectrometry)が最も多く用いられています。GC-MSは少量の試料でも高感度に分析できる、ライブラリが充実しており定性力に長けている、検量線を引くことにより定量も可能、などといった特徴があります。GC-MSを用いた、においの分析方法としては「固相マイクロ抽出法(以下、SPME:Solid Phase Micro Extraction)」などが挙げられます。
SPMEは図1の赤枠内のような器具を用い、器具の先端に装着されているファイバーに目的成分を吸着させます。吸着にあたっては図1のように固体試料を加熱して揮発性成分をヘッドスペースに追い出す方法が一般的です。ファイバーに目的成分を吸着後、注入口の高温部分にファイバーをさらし目的成分を脱離させ、GC-MSに導入して分析します。