便を検体とした場合、便の採取箇所等(便のどの部分からどれだけの便を採るか)で検査結果にかなりのバラツキが見られる。その原因と考えられるのは便が通常は固形で被検物質が不均一に分布しているためである。また、便は盲腸・上行結腸では水状、横行結腸ではかゆ状、下行結腸ではへどろ状、S状結腸及び直腸では固形状で存在している。このことから、盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸で産生・発生した被検物質は便中に均一に分布する可能性が高いが、S状結腸・直腸で産生・発生した被検物質は表面に不均一に分布している可能性が高い。そこで如何に便中の被検物質を的確に採取するかが課題である。